講道館柔道については、多くの優れた解説書が発行されておりますので、その詳細についてはそちらに譲りたいとおもいます。
したがって、ここでは「講道館柔道の技と形」を列記するに留めておきます。
第一章 講道館柔道の技名称一覧
- 投技(67本)―――手技(てわざ)(15本)
腰技(こしわざ)(11本)
足技(あしわざ)(21本)
真捨身技(ますてみわざ)(5本)
横捨身技(よこすてみわざ)(15本)
(参考)旧五教の技 明治28年制定(42本)
(参考)五教の技 大正9年改正(40本)
- 固技(29本)―――抑込技(おさえこみわざ)(7本)
絞技(しめわざ)(12本)
関節技(かんせつわざ)(10本)
- 当身技(参考)――突技(つきわざ)
打技(うちわざ)
蹴技(けりわざ)
1.投技(67本)
投技は手技・腰技・足技・真捨身技・横捨身技からなります。崩し・作り・掛けの正しい理合に基づき、
基本技と多彩な応用技との組合せが大切です。
1−1.手技(てわざ)(15本)
(1) 背負投(せおいなげ) (9) 山嵐(やまあらし)
(2) 体落(たいおとし) (10)双手刈(もろてがり)
(3) 肩車(かたぐるま) (11)朽木倒(くちきたおし)
(4) 掬投(すくいなげ) (12)踵返(きびすがえし)
(5) 浮落(うきおとし) (13)内股すかし(うちまたすかし)
(6) 隅落(すみおとし) (14)小内返(こうちがえし)
(7) 帯落(おびおとし) (15)一本背負投(いっぽんせおいなげ)
(8) 背負落(せおいおとし)
1−2.腰技(こしわざ)(11本)
(1) 浮腰(うきごし) (7) 跳腰(はねごし)
(2) 大腰(おおごし) (8) 移腰(うつりごし)
(3) 腰車(こしぐるま) (9) 後腰(うしろごし)
(4) 釣込腰(つりこみごし) (10)抱上(だきあげ)
(5) 払腰(はらいごし) 注:試合では有効な技とされない
(6) 釣腰(つりごし) (11)袖釣腰(そでつりこみごし)
1−3.足技(あしわざ)(21本)
(1) 出足払(であしはらい) (12)払釣込足(はらいつりこみあし)
(2) 膝車(ひざぐるま) (13)大車(おおぐるま)
(3) 支釣込足(ささえつりこみあし) (14)大外車(おおそとぐるま)
(4) 大外刈(おおそとがり) (15)大外落(おおそとおとし)
(5) 大内刈(おおうちがり) (16)燕返(つばめがえし)
(6) 小外刈(こそとがり) (17)大外返(おおそとがえし)
(7) 小内刈(こうちがり) (18)大内返(おおうちがえし)
(8) 送足払(おくりあしはらい) (19)跳腰返(はねごしがえし)
(9) 内股(うちまた) (20)払腰返(はらいごしがえし)
(10)小外掛(こそとがけ) (21)内股返(うちまたがえし)
(11)足車(あしぐるま)
1−4.真捨身技(ますてみわざ)(5本)
(1) 巴投(ともえなげ) (4) 引込返(ひきこみがえし)
(2) 隅返(すみがえし) (5) 俵返(たわらがえし)
(3) 裏投(うらなげ)
1−5.横捨身技(よこすてみわざ)(15本)
(1) 横落(よこおとし) (9) 抱分(だきわかれ)
(2) 谷落(たにおとし) (10)内巻込(うちまきこみ)
(3) 跳巻込(はねまきこみ) (11)蟹挟(かにばさみ)
(4) 外巻込(そとまきこみ) (12)大外巻込(おおそとまきこみ)
(5) 浮技(うきわざ) (13)内股巻込(うちまたまきこみ)
(6) 横分(よこわかれ) (14)払巻込(はらいまきこみ)
(7) 横車(よこぐるま) (15)河津掛(かわづがけ)*禁止技
(8) 横掛(よこがけ)
1−6.(参考)旧五教の技 明治28年制定(42本)
第一教 膝車、支釣込足、浮腰、体落、大外刈、出足払、横落(7本)
第二教 隅返、大腰、小外刈、腰車、背負投、巴投、谷落(7本)
第三教 送足払、払腰、後腰、裏投、内股、帯落、跳腰(7本)
第四教 浮落、浮技、抱分、肩車、引込返、外巻込、釣腰、移腰、
大外落、俵返(10本)
第五教 横車、横分、内巻込、小内刈、足車、背負落、横掛、払釣込足、
山嵐、大外車、釣込腰*(11本)
*「釣込腰」は明治28年の制定時には五教の技に含まれていなかった。
明治末頃に付け加えられた。
1−7.(参考)五教の技 大正9年改正(40本)
第一教 出足払、膝車、支釣込足、浮腰、大外刈、大腰、大内刈、背負投(8本)
第二教 小外刈、小内刈、腰車、釣込腰、送足払、体落、払腰、内股(8本)
第三教 小外掛、釣腰、横落、足車、跳腰、払釣込足、巴投、肩車(8本)
第四教 隅返、谷落、跳巻込、掬投、移腰、大車、外巻込、浮落(8本)
第五教 大外車、浮技、横分、横車、後腰、裏投、隅落、横掛(8本)
附録−1.代表的な連続変化技1(自分の技から自分の技へ)
@出足払から体落、一本背負投、小外掛
A膝車から大外刈、小外刈
B大外刈から払腰、体落、一本背負投
C大内刈から払腰、体落、浮腰、肩車、隅返、巴投
D釣込腰から大内刈、背負落、大外落
E内股から体落、大腰、大内刈、小内刈、内股巻込
F浮腰から釣込腰、跳腰、払腰、一本背負投など
附録−2.代表的な連続変化技2(相手の技から自分の技へ)
@出足払に対し燕返、体落、払釣込足、送足払
A大外刈に対し大外刈、大外落、払腰
B大内刈に対し浮技、巴投、小外刈、跳返
C内股に対し横捨身、体落、浮腰、内股すかし
D小内刈に対し膝車、巴投、浮技
E小外掛又は小外刈に対し体落、内股、一本背負投
F背負投に対し後落、巴投、掬投など
注意事項
1)誤りやすい俗称技――・手車あるいは手内股→掬投に包含
・腕返は関節を極めて投げた場合に投技と認められ
ないが、極めていない場合には横分
・帯取返は引込返に包含
2)よく似た技―――――・背負投と背負落
・小外刈と小外掛など
(補足説明)
柔道が世界的に発展し、競技柔道では、過去に見られなかった技が多く見られるようになってきました。
投技において、技の分類と名称を考えた場合、乱取や試合で許されている技、当身技を利用した技、関節を利用した技等があります。
しかし、自由に攻防できる乱取技を重視する傾向があります。
基本的に、試合や乱取に展開される多種多様な投技は、講道館柔道の投技の理合や攻防に基づき、
正確な技の分類と名称を把握する必要があります。投技の歴史的変遷を見ると、明治28年に講道館が投技指導の指針として、
五教の技(42本)を制定しています。その後、投技の変遷がみられ、改編の必要から大正9年に新たな五教の技(40本)
が発表されました。その内容は、旧五教の技から8本の技を除き、新たに6本の技が加えられました。
つまり、五教の技としての投技は、新旧を合わせると48本になります。その後、五教の技は改編されていません。
近年、講道館において、新しい投技が乱取等で多くみられるようになり、投技の新名称を決める問題が検討され、
昭和57年に新たに17本の「新名称の投技」が決定されました。したがって、先の48本に17本が加わり、
現在に至る投技の総数は65本になっています。
なお、この投技には、審判規定の改正により、試合で禁止されている河津掛や技の効果が認められなくなった抱上等が含まれています。
現在、試合で展開される投技は、その理合によって技の名称が判断され、この65本の技のいずれかが決技(きまりわざ)とされます。
しかし、実際には、技の複雑性と多様化がみられ、特に投技の場合は、技の名称を瞬時に判断することが困難になってきています。
2.固技(29本)
固技は抑込技、絞技、関節技の総称です。投技と固技は車の両輪にたとえられており、
その両者の練習によって技術の向上が確実になります。また、投技から固技への変化や抑込技から絞技や関節技へ、
絞技や関節技から抑込技へ、絞技と関節技の変化等、固技を身に付けると柔道に大きな巾をもたせることができます。
2−1.抑込技(おさえこみわざ)(7本)
(1) 崩袈裟固(くずれけさがため) (5) 横四方固(よこしほうがため)
(2) 肩固(かたがため) (6) 縦四方固(たてしほうがため)
(3) 上四方固(かみしほうがため) (7) 本袈裟固(ほんけさがため)
(4) 崩上四方固(くずれかみしほうがため)
2−2.絞技(しめわざ)(12本)
(1) 並十字絞(なみじゅうじじめ) (7) 胴絞(どうじめ)*禁止技
(2) 逆十字絞(ぎゃくじゅうじじめ) (8) 袖車絞(そでぐるまじめ)
(3) 片十字絞(かたじゅうじじめ) (9) 片手絞(かたてじめ)
(4) 裸絞(はだかじめ) (10)両手絞(りょうてじめ)
(5) 送襟絞(おくりえりじめ) (11)突込絞(つっこみじめ)
(6) 片羽絞(かたはじめ) (12)三角絞(さんかくじめ)
2−3.関節技(かんせつわざ)(10本)
(1) 腕緘(うでがらみ) (6) 腕挫腹固
(うでひしぎはらがため)
(2) 腕挫十字固(うでひしぎじゅうじがため)(7) 足緘(あしがらみ)*禁止技
(3) 腕挫腕固(うでひしぎうでがため) (8) 腕挫脚固
(うでひしぎあしがため)
(4) 腕挫膝固(うでひしぎひざがため) (9) 腕挫手固(うでひしぎてがため)
(5) 腕挫腋固(うでひしぎわきがため) (10)腕挫三角固
(うでひしぎさんかくがため)
附録−3.固技(抑込技)からの代表的な連続変化技
@本袈裟固から肩固
A崩袈裟固から縦四方固、崩上四方固、送襟絞、片羽絞、裸絞、片十字絞、腕緘
B上四方固から崩上四方固、腕挫十字固、腕挫腕固、送襟絞、片羽絞、裸絞
C崩上四方固から横四方固、崩袈裟固、片十字絞
D横四方固から縦四方固、崩上四方固、崩袈裟固、肩固、片十字絞、腕挫十字固
E肩固から縦四方固、送襟絞、片羽絞、裸絞、腕挫十字固、腕挫腕固、腕挫腋固
F縦四方固から横四方固、肩固、腕緘など
附録−4.固技(絞技や間接技)からの代表的な連続変化技
@十字絞から縦四方固、横四方固、腕挫十字固、腕挫腕固
A送襟絞から崩上四方固、片羽絞、裸絞
B腕挫腕固から崩袈裟固、腕挫十字固
C腕緘から腕挫腕固など
附録−5.代表的な相手の固技からの連続変化技
@本袈裟固(相手)又は崩袈裟固(相手)から崩袈裟固(自分)、横四方固(自分)
A崩上四方固(相手)から崩上四方固(自分)
B横四方固(相手)から腕挫腕固(自分)、送襟絞(自分)、片羽絞(自分)
C上四方固(相手)から送襟絞(自分)、片羽絞(自分)、裸絞(自分)など
附録−6.代表的な立技から固技への連続変化技
@大内刈から本袈裟固
A体落から腕挫十字固
B引込返から抑込技、巴投から崩上四方固
C腕緘から腕緘・抑込技など
注意事項 1)枕袈裟固、後袈裟固は正式名称「崩袈裟固」の俗称
2)「崩」があるのは「袈裟」と「上四方」のみ、
「横四方固」「縦四方固」「肩固」には「崩」無
3)「十字固」「腕固」は正式名称「腕挫十字固」「腕挫腕固」のこと
3.(参考)当身技(あてみわざ)
当身技は相手の急所を拳(こぶし)・指先(ゆびさき)・手刀(てがたな)・膝頭(ひざがしら)・蹠頭(せきとう)
・踵(かかと)等で、突き、打ち、蹴りによって、相手を制する技です。乱取や試合は、投技と固技だけで行なわれ、
危険な当身技を形として練習するのみとされています。なお、人の急所には、天倒(てんとう:のうてん)、
鳥兎(うと:みけん)、人中(じんちゅう:鼻の下)、霞(かすみ:こめかみ)、釣鐘(つりがね:睾丸)、
明星(みょうじょう:へそ下)、電光(でんこう:ひ腹)、独鈷(どっこ:耳の下)、水月(すいげつ:みぞおち)、
膝間接(ひざかんせつ:ひざ)などがあります。
@突技 (1) 拳当(こぶしあて)
(2) 指頭当(しとうあて)
(3) 肘当(ひじあて) など
A打技 (1) 拳当(こぶしあて)
(2) 手刀当(てがたなあて)
(3) 肘当(ひじあて) など
B蹴技 (1) 膝当(ひざあて)
(2) 蹠頭当(せきとうあて)
(3) 踵当(かかとあて) など
第二章 講道館柔道の形の種類
- 投の形(15本)―――手技(てわざ)(3本)
腰技(こしわざ)(3本)
足技(あしわざ)(3本)
真捨身技(ますてみわざ)(3本)
横捨身技(よこすてみわざ)(3本)
- 固の形(15本)―――抑技(おさえわざ)(5本)
絞技(しめわざ)(5本)
関節技(かんせつわざ)(5本)
- 柔の形(15本)―――第一教(5本)
第二教(5本)
第三教(5本)
- 極の形(20本)―――居取(いどり)(8本)
立会(たちあい)(12本)
- 護身術(21本)――1)徒手の部
・組みつかれた場合(7本)
・離れた場合(5本)
2)武器の部
・短刀の場合(3本)
・杖の場合(3本)
・拳銃の場合(3本)
- 五の形(5本)――――個々の名称無(5本)
- 古式の形(21本)――表の形(14本)
裏の形(7本)
1.投の形(15本)
投の形はいかに崩して作り、掛け、またいかに受けるかという技の理合を習得させるために作られました。
手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技のそれぞれから代表的な技を3本づつ選んで構成され、各技とも右技、左技を練習します。
@手 技 (1) 浮 落 (2) 背負投 (3) 肩 車
A腰 技 (1) 浮 腰 (2) 払 腰 (3) 釣込腰
B足 技 (1) 送足払 (2) 支釣込足 (3) 内 股
C真捨身技 (1) 巴 投 (2) 裏 投 (3) 隅 落
D横捨身技 (1) 横 掛 (2) 横 車 (3) 浮 技
2.固の形(15本)
固の形は抑技、絞技、関節技からそれぞれ代表的なものを各5本ずつ選んで構成されています。
投の形と固の形を合わせて、乱取の形とも呼ばれます。
@抑 技 (1)袈裟固 (3)上四方固 (5)崩上四方固
(2)肩 固 (4)横上四方固
A絞 技 (1)片十字絞 (3)送襟絞 (5)逆十字絞
(2)裸絞 (4)片羽絞
B関節技 (1)腕緘 (3)腕挫腕固 (5)足緘
(2)腕挫十字固 (4)腕挫膝固
3.柔の形(15本)
柔の形は明治20年頃に制定されました。攻撃防御の方法をゆるやかな動作で力強く表現できるようにし、
また体育を目的として組みたてられております。柔道の理合と体さばきを正確にかつ容易に学ぶことができます。
さらに、柔の形は、いつでも、どこでも、どんな服装でも、老若男女の別なく、楽しく柔道の理論を学ぶことができます。
第一教 (1) 突出(つきだし) (4) 肩廻(かたまわし)
(2) 肩押(かたおし) (5) 顎押(あごおし)
(3) 両手取(りょうてどり)
第二教 (1) 切下(きりおろし) (4) 片手取(かたてどり)
(2) 両肩押(りょうかたおし) (5) 片手挙(かたてあげ)
(3) 斜打(ななめうち)
第三教 (1) 帯取(おびとり) (4) 打下(うちおろし)
(2) 胸押(むねおし) (5) 両眼突(りょうがんつき)
(3) 突上(つきあげ)
4.極の形(20本)
極の形(きめのかた)は、真剣勝負に最も有効な技を習得させるために作られたものです。
互いに坐った体勢で攻防する居取(いどり)8本と、互いに 立った体勢で攻防する立合(たちあい)12本
の計20本で組み立てられています。
この形の修練によって、俊敏な体さばきで、最も適切な技法で相手を制圧する、理合いを体得します。
特に乱取では禁止されている当身技(あてみわざ)を十分に稽古し、身につけることが大切です。
@居取(いどり) (1) 両手取(りょうてどり) (5) 後取(うしろどり)
(2) 突掛(つっかけ) (6) 突込(つっこみ)
(3) 摺上(すりあげ) (7) 切込(きりこみ)
(4) 横打(よこうち) (8) 横突(よこつき)
A立会(たちあい)(1) 両手取(りょうてどり) (7) 蹴上(けあげ)
(2) 袖取(そでどり) (8) 後取(うしろどり)
(3) 突掛(つっかけ) (9) 突込(つっこみ)
(4) 突上(つきあげ) (10)切込(きりこみ)
(5) 摺上(すりあげ) (11)抜掛(ぬきがけ)
(6) 横打(よこうち) (12)切下(きりおろし)
5.護身術(21本)
柔道修行の目的は、体育、勝負、修心とされています。勝負の法を学ぶために、極の形が明治21年に制定されました。
しかし、時代の移り変りと生活様式の変化から、現時代に適応した勝負法を学ぶための形が昭和31年に講道館護身術として
制定されました。護身術は、徒手の部と武器の部に分かれており、全部で21本の技で構成されています。
5−1.徒手の部
@組みつかれた場合 (1)両手取(りょうてどり)
(2)左襟取(ひだりえりどり)
(3)右襟取(みぎえりどり)
(4)片腕取(かたうでどり)
(5)後襟取(うしろえりどり)
(6)後 絞(うしろじめ)
(7)抱 取(かかえどり)
A離れた場合 (1)斜 打(ななめうち)
(2)顎 突(あごつき)
(3)顔面突(がんめんつき)
(4)前 蹴(まえげり)
(5)横 蹴(よこげり)
5−2.武器の部
@短刀の場合 (1)突 掛(つっかけ)
(2)直 突(ちょくつき)
(3)斜 突(ななめつき)
A杖(じょう)の場合 (1)振 上(ふりあげ)
(2)振 下(ふりおろし)
(3)双手突(もろてづき)
B拳銃の場合 (1)正面付(しょうめんづけ)
(2)腰 構(こしがまえ)
(3)背面付(はいめんづけ)
6.五の形(5本)
柔道の攻防の理合を水の様相に形どって表現したものです。形の数が5本あることから、
五の形(いつつのかた)と名付けられています。個々の形に名称はありません。
(1)一本目(いっぽんめ)
(2)二本目(にほんめ)
(3)三本目(さんぼんめ)
(4)四本目(よんほんめ)
(5)五本目(ごほんめ)
7.古式の形(21本)
古式の形は、講道館柔道を創始される以前に、嘉納治五郎師範が学ばれた柔術・起倒流の形です。
往時の武士が戦場で甲冑を身に付けた鎧組討の投技を主としたもので、表の形14本、裏の形7本から組み立てられています。
@表の形(14本) (1) 体(たい) (8) 打砕(うちくだき)
(2) 夢中(ゆめのなか) (9) 谷落(たにおとし)
(3) 力避(りょうくひ) (10)車倒(くるまだおれ)
(4) 水車(みずぐるま) (11)錣取(しころどり)
(5) 水流(みずながれ) (12)錣返(しころがえし)
(6) 曳落(ひきおとし) (13)夕立(ゆうだち)
(7) 虚倒(こだおれ) (14)滝落(たきおとし)
A裏の形(7本) (1) 身砕(みくだき) (5) 坂落(さかおとし)
(2) 車返(くるまがえし) (6) 雪折(ゆきおれ)
(3) 水入(みずいり) (7) 岩波(いわなみ)
(4) 柳雪(りゅうせつ)
最後に、講道館柔道に関する代表的な解説書類として、以下の資料を参考に掲げておきます。
(参考資料)
- 醍醐敏郎著、「スポーツVコース 柔道教室」、大修館書店、1970.
- 日本柔道整復専門学校、品川区柔道会著、「新装版 見る・学ぶ・教える イラスト柔道の形」、五月書房、1998.
- 講道館柔道ビデオシリーズ(制作・発行:講道館)「第1作 投技(改定版)」
「第2作 古式の形」「第3作 固技」「第4作 柔の形」「第5作 投の形」「第6作 護身術」「第7作 極の形」
「講道館柔道技術シリーズ(監修:講道館)第1巻 手技編、第2巻 足技編-1、
第3巻 足技編-2、第4巻 腰技編、第5巻 捨身技と返し技」など・・
(平塚柔道協会創立50周年記念誌より抜粋)
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