34.平塚柔道物語・その34
ロシア・グルジアの空手少年と平塚の柔道少年が武道で国際交流
平成19年8月14日の神奈川新聞に、大きな見出しで「平塚で武道国際交流会・異種格闘技通じ親善・
ロシアの少年ら技披露」と紹介。さらに、読売新聞や毎日新聞にも大きく取上げられ、写真も大きく掲載された。
「武道を通して相互理解を図ろうと、武道国際親善交流会が平塚市大原の市総合体育館武道場で行われた。
異種格闘技交流でロシアとグルジアから訪れている空手の少年団と、市内で柔道を習っている小学生が互いの技を披露しあった。
平塚柔道協会(奥山晴治会長)の主催。少年団は国際武道連盟極真空手清武会(西田幸夫代表)のロシア・
グルジア支部少年団の4歳から18歳までの男女15人。市内で行われた全国ジュニア空手道選手権大会出場のため来日していた。
交流会は、平塚柔道協会の小学生22人が参加。まず、空手の基本的な立ち方、正拳突き、上段受けなど、りりしい演武を見学した。
続いて、児童らが、柔道の受身と背負い投げ、大外刈りなど、投げの形を見せ、試合も行い、日ごろの練習の成果を披露した。
少年団の指導に当っているビクトール・アパリンさん(46)は『柔道は素晴らしいテクニックを持っている。
空手と同様に防御に有効だし、とても精神的なスポーツだと思う』と感想を話していた。
奥山さんは『これを機に友好を築いていかれれば』と期待をこめていた」(以上神奈川新聞)
私と清武会の西田幸夫代表との交流は、10年前からであった。西田氏の弟子であるロシアのビクトール・
アパリンさんは礼儀正しく、かつ人格者である。彼とは、清武会主催のパーティーで、市民ジャーナルの浜野氏、
清武会友の会の相原会長と私の4人で肩を組み、ロシア民謡カチューシャの歌を、彼はロシア語、私達は日本語で歌い合った。
そんな交流が下地にあり、思わぬ武道を通した少年たちの国際交流が実現した。
その翌日、平塚の街で買い物をしていたロシアやグルジアの少年達や指導者から、「押忍(おす)」と一声に挨拶され、
あわてて私も「押忍」と挨拶を交わした。
商店の方達は外国人の礼儀正しさに驚いていた。それは、極真空手で学んだ礼儀であった。
日本の武道は、柔道も空手も礼儀をもっとも重んじているのである。山下泰裕東海大教授は、
最近行われた市内大住中学校での講演で「柔道の道」とは柔道で学んだ礼儀や人格を、
社会や生活の中で活かすことであると話され、「やさしさこそ、その人の強さである」とも言われた。
清武会代表の西田師範は、礼儀はもちろん、やさしさと強さを兼ね備えた人格者である。
そして、その弟子であるロシア・グルジア・ハンガリーの各支部長達も揃って人格者である。
その彼らが西田師範を心から尊敬し、指導を受けに来平する姿はほほえましい。
そこで、道を求める真摯な姿勢と、弟子を育成する情熱の指導者西田幸夫氏の魅力について、次号で述べてみたい。
写真は、前列中央 筆者と清武会代表西田幸夫氏
一番右がロシアのビクトール・アパリン氏
(HIRATUKA 市民ジャーナル 連載記事より抜粋)
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