平塚柔道物語その29
平塚柔道協会 会長 奥山晴治
2008年11月1日

29.平塚柔道物語・その29

「柔道が私の人生を変えた」−中学生の作文−

 人生とは不思議で面白い。思いもよらなかった「出会い」が人生を変えることがある。 そんなことを考えていた時、中学3年生・平塚柔道協会所属・浜竹中学校柔道部員のステキな作文に出会った。 ここに紹介する。

 『私は中学校に入学する前から絶対に柔道部には入らないと決めていた。 それは、小学校時代に私をいじめた先輩がそこにいたからだ。柔道部が強いといううわさは聞いていた。

−中略−

 私は柔道経験者の子に説得され、しぶしぶ仮入部をしてしまった。 それが人生を変えるスタート地点になるとは思ってもいなかった。

 柔道部の体験では、受身の練習をした。それがとても楽しかった。 体験後の顧問の真田先生の話の中で、「休みは無し」という言葉にとまどったが、 「人生は変えられる」という言葉に強く惹かれ、結局3年間、浜岳中の畳の上で汗を流すことになった。

 私は他の人より上達が遅く、なかなか体が思うように動かなかった。 先輩や先生はそんな私に上達するコツや、自分の悪いところを教えてくれた。 まだまだおっかなびっくりの練習しかできなかった頃、迎えた初試合、私はO中の初心者の子と試合をし、 押さえ込みで一本勝ち。それがとてもうれしくて、少し自信をつけることが出来た。 1年生の任せられた仕事が、はじめのうちはよくわからず、いつも先輩に怒鳴られていた。 落ち込んだ日もあった。しかし、いまになってみると叱られた事も、 周囲に気を配ることの大切さを教えてくれたいい経験になった。

 2年生の新人戦、私は強い2人の同級生と共に県大会の団体戦に出場。準決勝戦では大いに活躍することができ、 私はチームに貢献できた喜びで胸がいっぱいになった。

 それから半年経った今、私の柔道漬けの中学生生活も残りわずかとなった。 私は柔道というすばらしい競技に出会い、またとてもよい先生・環境に恵まれたことに感謝している。 そして、この出会いと私の努力で、本当に自分の人生を変えることが出来たと思う。

 私は柔道部の中で生活していくことで明るくなり、今までの友達ともさらに仲良くなり、新しい友達もたくさん増えた。 中でも柔道部の仲間とは、今までにない友情・濃い人間関係を築くことが出来た。

 これは一生の宝物になると思う。柔道を通じて学んだ、礼に重んじる心、いたわりの心、 何事にも正直に真面目に取り組む心の3つをこれからもずっと忘れずにいようと思う。 そして挫けそうになった時、このキツイ練習を思い出し、頑張ろうと思う。

 私はこの3年間を決して忘れない。こんなに充実した生活は今までになかったから。 そして、私は未来に向かって一生懸命駆けていこうと思う。たとえ何度転んでも!』

 講道館創始者の嘉納治五郎先生は、柔道の精神とその目的は=人間を磨くことにあると言われている。

 本人は大会で華々しい活躍をしてきたわけではないが、その精神は身に付けているといえよう。

−写真は、真田州二郎教師と浜岳中柔道部員−


(HIRATUKA 市民ジャーナル 連載記事より抜粋)

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